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BGMは 「冬 」 ビバルディ My Favorite Tastes様より 

 

 麗しのコロ


ああ、麗しのコロ
その毛はあくまでも、つややかになめらかに
うずくまるその畳
何故にぼろなのか
コロ
君にはもっと真新しい絨毯がふさわしい

その目はいつも何かに興味を示す
賢いコロ。

「お、なにか動いた」

コロはその正体を
確かめずには
おれないのだ。

 どうも、
 興味の対象はこたつの中にあるらしい。

 こちらからはよく見えないし
 奥までは手が届かない。

 

  しかし、
  コロは利口だ。
  少し逆方向へ離れて、勢いをつけて、突進する。

  この賢さはいったいどのようにして生まれたのか。

  賢さの理由までは、よくはわからないと思う。

  畳がぼろの理由は

  よくわかっていただけたと思う。

 そう、そう、
 賢さの原因はこれなのだ。

 人間諸君、
 きみたちも
 惰眠ばかりむさぼるのはやめて
 本を読もうではないか。

 「本こそ賢さの源泉である」(コロ)

賢いと、偽のリングには目もくれないのか。
ちなみにこのリングは結婚指輪ではない。
こんなに太い指なんかしてないのである。
これは、
家電製品なんかのコードを固定してある
針金みたいなやつを輪にしたもので
コロのお気に入りなのだ。
よく見ると上の写真の口元に
咥えている輪が写っているのだ。

投げるふりにだまされて、
向こうを向いたところを
飼い主が撮影という図である。

ああ、
麗しのコロ。
君は何故にそう、あそび好きなのか。
いや、そうではない。
飼い主の心を慰めようと、あそんでくれる殊勝な心の持ち主なのだ。

おいおい、買いかぶりじゃ
ないのかい?

なあ?

畳くらい替えろってんだ。

だれか悪口を言ってるな。

このピンと反った
飛行機の羽のような耳を見よ。

地獄耳なのだ。

本当は何を見ているのかというと
実は視線の先にペレがいて、
ちょっと張り合おうかなと思ってる
ところらしい。


新しい畳

恐れ多いと爪トギ板の上に座っているところ。

「コロについて、飼い主の自慢話」

コロは、おっとりしています。
知らない人がきても、それほどあわてません。
というわけで、我が家の接待係をつとめています。
あいきょうも振りまくんです。

夜は、主に私の布団で寝ます。

抱っこすると顔をこすりつけてきます。
すごく甘えます。
甘えん坊か?
しかし、とても気が強いのです。
大柄で少し乱暴なドラにも立ち向かいます。

休みの日の朝は、私を6時半に起こします。
朝食を早くよこせということです。
休みじゃない日は女主人が、朝のご飯係ですが
休日は私がやるはめになってしまいました。
そう、何をしても起きない休日の女主人のかわりに
デリケートな男主人を起こすのです。
はじめはほっぺたをそっと、手先でつつきます。
起きないと、少しばかり爪を立てて頭を叩きます。
なんなんだよ〜。
乱暴はやめてくれよ〜。
私は眠い目をこすりながら食事を与えます。
もちろん、他の猫にも与えます。
私は、また、寝ます。
寝床でぐずぐずしているのが趣味の私は
休日ですので、お腹が減ってどうしようもなくなるまで寝てます。
すると、枕もとにコロが座っています。
だまって座っていることが多いのですが
遊んで欲しいときは、やはりほっぺたをつつきます。
それでもぐずぐずしていると、またほっぺたをつつきます。
爪はたてません。
起きているのを知ってるんですね。
それで、起きると、
さっと、寝室から茶の間に駆けて行ってしまいます。
そういうわけで、ちょっと遊んでやることになります。
おかげで、顔を洗うのを忘れてしまうことがあります。

鳴き声は、哀しげに泣きます。
どうしてなんでしょうか?
哀しくないときも、切なげです。

生まれたときはころころだったコロも、
いっぺん、病気をしてからは、
クロと同じく、小さい猫です。